2学期が始まりました【校長室だより】

 今日は始業式でした。
 校長からは、次のような話をしました。

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 今年の夏休みは、毎日暑い、暑い、と言っている間に終わってしまったような気がします。それでも今日、こうして、みなさんが何事もなく、あたりまえのように登校してきたことを、ほんとうにうれしく思います。

 さて、今年はどんな夏休みだったでしょう。みなさんにとって、小学校から数えれば10回目、11回目、12回目ということになりますね。だから、夏休みの過ごし方は経験十分、過去の失敗を十分生かして、宿題は全部7月の間に終えてしまって… という具合に過ごした人はいますか?
 私自身、振り返れば51回目の夏休みですが、それでも毎年、ああ、あれができなかった、これも終わらなかった、という後悔ばかりを繰り返しています。毎年毎年違う夏休み。人間、なかなか思い通りにことは運ばないものです。

 そうして迎えた2学期の最初にあたり、この夏休みの間に私がいいな、と思った言葉を一つ、紹介します。

「毎日、人の数だけ違うことが起こっている。同じ日なんて無い。一瞬も無い。自分に起こることを観察し、面白がったり、考え込んだりする事こそ、人生の醍醐味(ほんとうの面白さ)だ。」

 むかしむかし、私がみなさんくらいの年齢だったころに比べると、一人ひとり違う、ということがずいぶん当たり前になってきました。金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」なんて、テレビのコマーシャルでも使われています。
 それはそれでいいのですが、ただ、そればかり言われていると私はちょっと、不安になってきてしまいます。みんながちがってしまったら、自分は結局ひとりぼっちなんじゃないか、という心配です。
 今紹介したのは、そんなときに効く言葉です。自分だけ、ほかの人とちょっとずれているかな、と感じた時。自分だけ、どうしてみんなと同じようにならないのかな、と悩んだ時。そんな時、自分のことだけれど、まるで他人でも見るみたいに観察して、「私ったら何やってんだろう」ってつぶやいてごらん、ということです。

 この言葉は、先日亡くなった、『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんのことばです。
 マンガやアニメを見たことのある人はわかると思いますが、まる子の行動や発言にはいつも、ちょっと皮肉な感じのツッコミが入ります。まる子は作者自身がモデルだそうですから、さくらさんはいつも、自分の分身であるまる子にツッコミを入れていたということになります。そのことが「自分に起こることを観察し、面白がったり、考え込んだりする事」になり、人生のほんとうの面白さだ、ということになるのではないでしょうか。
 他人の行動や発言ではなく、自分自身の行動や発言にツッコミを入れることを人生の醍醐味というところに、さくらももこさんの優しさと強さがあるのだと思います。

 今日からまた、毎日が始まります。ラッキーもあればアンラッキーもあります。喜びもあれば悲しみもあるし、善意もあれば悪意も、本当もあれば嘘もあります。ぜんぶ混ざり合っているのが、私たちの毎日です。
 ちょっとしんどくなったらぜひ、さくらももこさんの言葉を思い出してみてください。

 2学期も、みなさんが元気に過ごしてくれたら幸いです。